27. Tesoro  宝物室


 ここには、シスネロス大司教の命により、ドイツの銀細工師エンリケ・デ・アルフェによって7年かけて1505年に完成された、高さ3.095mの聖体顕示台がある。1595年に金メッキされた。コロンブスがアメリカ大陸から持ち込んだ金が使われているという。外に公開されるときは、聖体=パンが入れられる。


 

 この聖体顕示台は、六角形の台座の上に立つ、6本の柱が支える形のゴシック様式の聖堂の形であり、5,600のパーツからなり、18カラットの金18kgと純銀183kgが使われている。
 台座のフリーズという長方形の部分には、イエスの逮捕、鞭打たれるイエス、死んだイエスへの嘆き、復活などのレリーフが彫られている。また、dadoと言われる窪みの部分には預言者ホセア(旧約聖書に出て来る。神の命に従い、不貞の女と結婚しつつ愛し、イスラエルの民が神に背いたにも関わらず再び神に愛されることを示した)など合計12名の像も刻まれている。


このフリーズには、死んだイエスへの嘆き(マリアがイエスを抱きかかえているのでピエタと言っていいか)のシーンが刻まれている。また、2人の銀の像も見える。


 このゴシック様式の「聖堂」を支えるための建物外側の柱と「聖堂」を繋ぐ「飛び梁」は二段になっていて、下段にはそこに聖ペテロ、聖パウロ、聖ヨハネなど6名の像がある。上段は植物の茎や蔓に花が付いたものが伸びて聖堂を支えている。その外の支柱の上端にも天使や聖人たちが付いている。

    

飛び梁の下段の像と上段の植物。外柱最上部の聖人像。

 私がWikipediaやトレド大聖堂自身のサイトの説明を今一つ十分に理解していないので、間違っているかもしれないが、写真からわかるだけの中央部をあえて説明してみよう。
 中央の丸いリングが聖体(パン)を載せる部分であるようである。6本の、花の新芽をまとわらせた円柱からなる小さな神殿の中にある。その丸い部分のある神殿は、エメラルド、ガーネット、真珠などを散りばめている。また、土台の部分には、聖母マリアや聖人たちのエナメル彩色像が納められている。また、この写真ではよく分らないが、小神殿の天井は「星形の丸天井」とのこと。


 さらに、その上は、三つの葉状のアーチをもつ土台に立つ、「王冠状」の部分で、様々な聖人やダビデ王などの像に囲まれて、復活したイエスのエナメル像がある。
 そして、最上部の十字架のところから「聖霊」を示す鳩が外を向いている。

 


 以上の説明は、トレド大聖堂自身のサイトの「Monstrance of Enrique de Arfe」、Wikipediaのスペイン語版、英語版のそれぞれ「トレド大聖堂」より。共に、難しい建築専門用語などが多く、私の撮った写真で理解できる、と私が判断した部分のみ示した。


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