20. Coro 聖歌隊席


 聖歌隊のメンバーが、礼拝の間ここで着席したり起立したり跪いたりする場所である。


 この入り口を入ってすぐのところに「白い聖母像」がある。礼拝用に作られたもので、白い石膏像にベージュの彩色がされていて、高さ153cmである。14世紀に作られたゴシック様式のもので、トレド市長、カスティーリャ王国の公証人であったゴンサロ・ルイス・デ・トレドによって、大聖堂に寄贈されたようだ。
(Wikipediaスペイン語「Verge Blanca (catedral de Toledo)」のDeepL翻訳より)


 中央の講義台のところには、青銅製の鷲の彫像がある。ビセンテ・サリナス(16世紀の銀細工師)によって1664年に鋳造された。これは十二使徒の聖ヨハネの象徴であり、聖書の教えが空高くまで広まることを示すと言われているが・・・。(ネットにある様々な記述より)

上に見えるのはバロック様式のパイプオルガン


 また、最奥の最上部には、アラバスターという白色の鉱物で製作された「イエスの変容像」がある。16世紀のスペインの彫刻家アロンソ・デ・ベルゲテとフゥリペ・ビガルニによって作られた。「イエスの変容」とは、弟子たちの前でイエスがモーセらと語り合いながらその身体が白く輝いた姿を示した、という聖書の話である。

 肝心の聖歌隊席であるが、どのネットの説明を見ても「上下二段の席になっている。下席はゴシック様式、上席はルネサンス様式」とある。下の席はすぐ誰でも分るところであるが、「上の席」がどこかははっきりと示されていないし、実際にこの聖歌隊が歌っている写真も見当たらない。私の撮った写真をつぶさに見て行ったところ、床からの階段があり。また座る席と思しきところが下の席の「グラナダ戦争」のレリーフのすぐ上に見られるので、その列柱のあるところの後が「上の席」だと思われる。違っていたら、わかる方、どうか教えてください。


 

「下の席」と、「上の席」に行くと思われる階段。 


 

列柱の間にあると思われる「上の席」


 この「下の席」の背もたれのすぐ上に、「グラナダ戦争」(1482-92)の経過を示すレリーフがある。アラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ王イザベル1世の軍隊が、イベリア半島に最後まで残った、アルハンブラ宮殿を持つナスル朝グラナダ王国を破って、イスラムの半島支配を終わらせた戦いである。
 私は時間をかけて全部のこの写真を撮ったが、どれがどの場面なのかが分らなかったので、激しい戦闘シーンと、カトリック両王のシーンと思われるもののみ示そう。

 


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