増補 最高峰の山、美しい湖と川と海---魅力ある自然
ボヒニュ湖畔のロープウェイで登って撮った、湖とトリグラウ山(真ん中より少し左の一番高い尖った山)。ビデオファイルのフレームキャプチャーなので画質が今一つだが。
トリグラウ山
「トリグラウ山またはトリグラフ山(Triglav)はスロヴェニアのジュリア・アルプス山脈に位置するスロヴェニア最高峰の山である。標高は2864メートル。スロヴェニアの国家のシンボルであり、スロヴェニア唯一の国立公園であるトリグラウ国立公園の中心に位置している。・・・この名称は、この山がゴレンスカ地方(※私注:この一帯を含むスロヴェニア北西部地方のこと)から眺めたときに3つの頂が見えることから、スロヴェニア語で『3つの頭』、すなわち『3つの峰』を意味する『Tri-golvъ』の語に由来している。」(Wikipedia「トリグラウ山」より)
「真のスロヴェニア人は、一度は登るべきといい、さらに何度でも登れば登るほど良いという・・・。」(『スロヴェニアを知るための60章』の「トリグラウ」ルカ・ツリベルク著・山崎信一訳より)。上の写真に見られるボヒニュ湖は、スロヴェニア語のboh(神)に由来すると言われ、長さ4.2km、幅約1km、面積約3.3平方キロメートルでスロヴェニア最大の湖である。最深は45mとのこと(様々なサイトより)。リュブリャナが快晴の日をねらって、バスで2時間以上かけて、ボヒニュ湖を見下ろすロープウェイに上るバス停に来た。バスは満席だった。湖畔でキャンプをしたり、これからトレッキングをする人もいたのであろう、ロープウェイは空いていた。上まで登りきると、ロープウェイを降りたすぐのところが金属製の床の展望台となっていて、頑丈なつくりになっていることは分るが太い網目状になっていて隙間から下が見え、高いところからの眺めが好きなくせに高所恐怖症の気がある私は少し足がすくんだ。幸いトリグラウ山は見えたが、初めは雲による陰で暗くなっていた。帰りのロープウェイに乗るころやっと影が取れ、明るい斜面を撮ることができた。真っ青な空をバックに出来なかったのは残念! また、この場所からだと山が2つに分れているのは見えるが3つには見えなかったが、足が弱って他の場所に上って見られない私にはこれで十分。
ボヒニュ湖から北北東に、リュブリャナへの帰り道、ブレッド湖がある。こちらは長さ2.12km、幅1.38km、面積1.45平方キロメートルで、ボヒニ湖より小さい。しかし、湖の中の自然の小島に教会が立っていたり、湖畔にお城があったりで、下のような、私がスロヴェニアで一番のものだと思う景色が、晴れの日に苦労すれば見られる。
雲の間に雪が被った頂上を示しているのはStolストル山(標高2236m)。
ブレッド城の地形図による2つの湖の位置関係
この風景を見たり撮るためには、苦労してMala Osojnicaマラ・オソイニツァという標高685mのところまで登らなければならない。他にも展望できる場所はあるが、湖のほぼ全体と、島の教会、ブレッド城、そしてStol山をほぼ一直線上に見られるのはここだけである。ブレッド湖の標高が475mなので約200mの高さの「登山」をすることになる。Google Mapsなどではここへの登りが入口から30分以内のように表示されるが、私のような高齢で運動不足の者には、何十回も息切れするので、休み休みで1時間以上はかかる。晴れた日は5月でも脱水症状になりうるので500mlペットボトルの水2本くらいは不可欠である。行先への表示もあるが、途中での分かれ道もいくつかあり、また写真のように木の根っこの張り出しだけが滑り止めの道も多く、ロープを捕まりつつ行く所や90段くらいの長い急な階段もあるので、覚悟して登ること。残念ながらここにはボヒニュ湖のように湖を見渡せるところまで行くロープウェーは無い。バス停で入口に一番近いのは、「Bled Mlinoブレッドムリノ」。これが2025年4月末の情報。
最後の標識。これを見たら左へ最後の急な坂を少し行くと、Mala Osojnicaの素晴らしい展望台↓が。
島の聖母被昇天教会には、「古代スラブ人による崇拝の場があったと考えられている。1142年に煉瓦造りの教会が建てられ、様々改築を受け、最終的に今の初期バロック様式のものになった(https://www.bled.si/en/what-to-see-do/attractions/17/church-of-the-mother-of-god-on-the-lake/の日本語訳より)。島には20ユーロ(2025年5月時点)のプレトナと呼ばれる乗り合いボートや個人手漕ぎボートで行ける。教会に入るにはさらに数ユーロが必要。オーストリアのマリア・テレジアが、ブレッド湖を渡る宗教的巡礼者の渡し船を、地元の22の家族に独占的にプレトナ営業を許可したことに歴史を持つとのこと(Wiki 「Lake Bled」より。原典は『Sims, Davy (2018). Bled Slovenia. Firsthand Guides. p. 137』)。また、詳細は不明だが、湖水のために人工的な対処もしている。
別の曇天の日に島と城に行った。上はそのときの写真。晴れた日はMala Osojnica登りで疲れ切って、行く気力が無かったため。
川も西部のソチャ川などは、石灰岩の上を流れることもあり、晴れた日にはコバルトブルー色で美しい。
1796~97年、ナポレオンがイタリア北部を支配していたオーストリア軍を攻撃、敗退させ、この橋を渡って追って行ったことから「ナポレオン橋」と名が付いた橋とソチャ川。橋は第一次大戦で破壊された後に再建された。
ソチャ川がTominトルミン近くで川幅が広くなっているところ。
スロヴェニアには先ほどのアルプス地方とともに「観光の二枚看板」ともいうべき、猫の額、ほどの地中海沿岸リゾートを持っている(ヨーロッパ最大のポストイナ鍾乳洞と、2021年に一部の建物群が世界文化遺産に登録されたリュブリャナ市とともに「四枚看板」か?)。この地中海沿岸のところは、元はヴェネチア共和国だったが、後、オーストリア帝国が支配下に置き、第一次大戦後イタリア領となり、第二次大戦で反ファッショユーゴパルチザンが奪取したところである。スロヴェニアに言わせればスロヴェニア人が多く住んでいた地域だという。
ヴェネチア共和国の時、オスマントルコから守るため作られた城塞跡よりピランの街を見下ろす。これがピラン観光の定番。中心の大きな建物はタウンホール。
9月10日過ぎだったが、泳いでいる方々もいた。