ノーベル平和賞授賞式の間(オスロ市庁舎大ホール) (2019年8月訪問)
人気のある場所なので、個人で行くと入口で待たされるのを覚悟すべし。ガイド(私の時は英語)グループツアーのみ。一定の人数に達すると出発する。
中央ホール正面にはノルウェー人画家ヘンリック・ソレンセンス(Henrik Sørensen)が1938~50年にかけて描いた「仕事、行政と祝祭」と題された、ノルウェーの歴史と伝説の場面の油絵の壁画がある。被団協の人々もこの絵の前のバルコニーの下で授賞し、田中熙巳さんが記念演説した。
「“Arbeid、administasjon、fest”(仕事、行政、祝祭)というタイトルの巨大なパネル画で、オスロが市庁舎周辺の特徴であった貧困を平和的、民主的な手段で克服したことを示している。絵は3つの部分に分かれており、下の部分は貧しいオスロが取り残されていく様子を描いている。中央部分は調和と共同体を称えている。戦争を終えて故郷に帰る王でさえ、他の人々と同じ高さで描かれている。上部には、核家族を中心とした幸福な人々の、ほとんど宗教的なムードがある。」(Rådhussalen i Oslo Vi bruker informasjonskapsler for å forbedre brukeropplevelsen. Besøk vår informasjonsside for mer detaljer, eller finn lenken i bunnen av NRK.noのサイトの翻訳による.)上方のバルコニーの手すり、その下の壁、床はノルウェー産大理石で覆われている。また、この写真の中で人々が集まって見ているところには、今までノーベル平和賞を受賞した人々の簡単な業績を紹介したものが展示されていた。
2018年受賞者コンゴ民主共和国の産婦人科医で、戦時の性暴力被害者の心身のケアにあたったデニ・ムクウェゲ(Deni Mukwege)氏と、2014年受賞の有名なマララ・ユフスザイ(Malala Yousafzai)さんについて
反対側の壁(この下にある出入口からこのホールに入る)には、ノルウェーの画家アルフ・ロルフセン(Alf Rolfsen )によるフレスコ画が掲げられ、「40年代から50年代にかけてのノルウェーの主な職業が描かれている。漁師、農民、船乗り、工業従事者。」(サイト「Visit The Oslo City Hall (A Guide) https://norwaywithpal.com/norway-travel-blog/visit-the-oslo-city-hall/より「『西の流し網から東の森までのノルウェーの産業』を表現している。ノルウェーの産業界の代表者たちの左側には、ノルウェーの対外的な探検を象徴する★ナンセンが並んでいる。右側には・・・作家※ビョルンソンの肖像画があり、内なる精神的な広がりを象徴している。」(ホール内部の展示の説明の翻訳)★北極近辺の探検を行った※ノルウェー国歌「我らこの国を愛す」の作詞者であり、日本では『日向ヶ丘の少女』の作者として知られている
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「正面に向かって右側の壁には、オスロの守護聖人である聖ハルヴァルドが描かれています。 彼はライオンの装飾が施された玉座に座り、3本の矢と石臼を手にしています。 伝説によると、盗みをはたらいたと訴えられた身重の女性を助けるために、彼は3本の矢を射られ命を落としました。 彼の遺体は石臼で重しをされ、ドラメンフィヨルドに投げ捨てられました。この犯罪を隠そうとする試みにもかかわらず、彼の遺体は水面に浮かび上がり、地元の人々によって発見されました。ハルヴァルドは聖人として宣言されました。それ以来、聖ハルヴァルドはオスロの守護聖人となっています。 彼の足元に刻まれた『Unanimiter et Constanter』という文字は、この都市のモットーです。これはラテン語で『団結と決意』を意味します。」これもアルフ・ロルフセンの作といい、またこのハルヴァルドは1043年に殺されたという。
(St. Hallvard, O。slo’s patron – mural in Oslo City Hall https://worldtml.wordpress.com/2011/06/01/norway-oslo/p1060092/の翻訳より)
そして正面に向かって左側には、アルフ・ロルフセンの次の絵が掲げられている。「東壁のギャラリーの下に、ロルフセンはヒトラーとナチズムに対するノルウェー国民の抵抗を称える『占領フレスコ画』を描いています。このフレスコ画シリーズは、ドイツ人がどのように国を占領し、古いノルウェー文化を徹底的に破壊したかを物語っています。この写真シリーズの興味深い点は、ロルフセンが中世やルネサンスで一般的だったように写真を個々のシーンに分割しておらず、純粋に映画的な方法で、あるシーンがほとんど気づかないうちに次のシーンにスライドすることを可能にしていることです。ここで彼は、ピカソの『ゲルニカ』など、イタリアのルネサンスとキュビズムの両方からの洞察を利用しています。」(同上より翻訳)「壁には、アルフ・ロルフセンが自らの経験をもとに描いた『占領下のフリーズ』が描かれている。左側には、レジスタンスの男たちが森に飛び立ち、女たちが立ち話をしている。飛行機が飛び、船が沈む。独裁政権の代表が部屋に入り、母親の恐怖と少年の怒りが伝わる。外では占領軍とその支持者が国を破壊している。ゲシュタポのヴィクトリア・テラスから廃墟越しに見た右側には、レジスタンス戦士のヴィックストラーとハンシュタインが処刑壁に向かって立っている。地下室にはレジスタンスの独房が隠されており、パルチザンが朝の空を背景に据えられている。彼らの目の前には強制収容所があり、ある日門が開かれ、囚人たちが光に向かって流れていく。平和の祝典は今や平和を集め、5月17日の建国記念日の行列は『見えない未来』へと突き進む。」(ホール内部の展示の説明の翻訳)