カタルーニャは「独自の道」を行く?
初めてのスペイン旅行の最後に、カタルーニャ州バルセロナに着いた。カタルーニャはイギリスのスコットランドと同様に、分離・独立の意識の高いところとして有名である。マドリッド、セビーリャ、グラナダと巡ってきてみると、やはりその「独自意識」を感じた。まず簡単に分ったのは、「タクシーが白くなく、黒い」ということ。今まで行ってきた町のタクシーは皆車体が白色で統一されていた。しかし、ここは全く違う黒い車体に黄色のドア、という配色である。もちろんスペインは広い国なので、ここだけが特別ではないのかもしれないが。
右はセビーリャのタクシー
また、それまでバルセロナにいて気付いていなかったが、バルセロナの空港で掲示を見たら、カタルーニャ語・英語・スペイン語の順に表記されていた。スペイン語とは違う言語を使っている、という意識があるようだ。
共に、上からカタルーニャ語、英語、スペイン語の順。カタルーニャ語が一番上!
何という幸運! バルセロナ2日目は4月23日で、この日は年1回の「サン・ジョルディ(聖ゲオルギウス)の日」として独自の行事が行われ、それを見ることができた。これはカタルーニャ全域でも行われている行事で、カタルーニャの独自性を示す一つである。聖ゲオルギウスはバルセロナの守護聖人の1人で、3世紀後半に生まれ、、伝説として、動物を食べ続け次はある国の王女を食べようとしていた龍を、その口に剣を指して仕留めたという。その龍の流した血から赤い薔薇を作って助けた王女にプレゼントしたという。彼は4月23日に殉教したとされ、この日、人々は赤い薔薇の花など、花を親しい男女に贈るという。また、この日は偶然にも、セルバンテスとシェイクスピアの命日でもあり、人々は赤い薔薇の他、カタルーニャ語の本も親しい人に贈るのである。バルセロナの中心部のランブラス大通りなどには朝早くから赤い薔薇を売る出店や、本を売る出店が立ち並んで、多くの人々がそれらを買い求めていた。そして、店の陳列台を黄金地に赤線の入ったカタルーニャの州旗が取り巻いていた。